花粉症薬は何が違うのか?
各薬の特徴を以下に解説します
◇ケミカルメディエーター遊離抑制薬の特徴
リザベン、アレギサール、インタール、ペミラストンなど
- 継続により効果が上昇する。
- 効果はマイルド
- 鼻閉にやや効果がある。
- 副作用(眠気など)が少ない。
効果がマイルドで遅効性なため、効果の実感が低い
◇抗ヒスタミン薬の特徴
第一世代抗ヒスタミン薬
ペリアチン、レスタミン、ポララミンなど
アレルギー治療薬として昭和20年代より用いられ、市販薬の鼻炎用に多く含まれています。くしゃみ、鼻水には効果がありますが、鼻づまりに対する効果は十分ではありません。副作用の眠気が多く、他に胃腸障害、口の渇き、めまい、頭痛などがあります。車を運転する人、危険な作業をする方は注意が必要です。また緑内障、前立腺肥大、喘息の方にも注意する必要があります。
第二世代抗ヒスタミン薬
ゼスラン、アレグラ、クラリチン、アレジオン、ディレグラ、ザジテン、エバステル、ジルテック、ザイザル、ビラノアなど
花粉症で今最も使われている薬。第一世代抗ヒスタミン薬と比較して副作用が少なく、ヒスタミン受容体へのブロック効果が高く、持続性があります。
- 眠気、口の渇きなどの副作用が少ない。
- 鼻症状の改善度がよりよい。
- 鼻閉に対する効果もよい。
- 持続が長い。
- 続けて服用することで効果があがる。
◇ 抗ロイコトリエン薬の特徴
オノン、シングレア、キプレス(モンテルカスト)など
特に鼻づまりに効き、鼻水、くしゃみ、咳にも効果があります。気管支喘息の治療薬として使用されることが多い薬。効果が出るまでにやや時間がかかりますが、眠気の副作用も少ない薬です。
◇ 鼻噴霧ステロイド薬の特徴
フルナーゼ点鼻、ナゾネックス点鼻、アラミスト点鼻、エリザス点鼻など
ステロイド剤であるが、吸収されにくく分解も早いため全身的な副作用は少ないが花粘膜に効果は確実。遅効性ですが、くしゃみ、鼻水、鼻づまりのすべてに効果があります。
◇内服ステロイド薬
セレスタミン、プレドニンなど
重症の花粉症(アレルギー性鼻炎)に対して使用されます。ステロイドの内服は副作用(重症感染症、骨がもろくなる、胃潰瘍の可能性、皮膚障害、月経異常など)を伴うため、短期間の使用に限ります。
◇ 点鼻用血管収縮薬
コールタイジン点鼻、トラマゾリン点鼻、トーク点鼻など
鼻づまりがひどい時のみ使用します。即効性がありよく効きますが、長期連用により効果が弱くなったり、逆に鼻粘膜が腫れて鼻づまりがひどくなったりします。(薬剤性鼻炎)
◇ 漢方薬
小青竜湯、葛根湯加川キュウ辛夷、辛夷清肺湯、麻黄附子細辛湯など
意外ですが、即効性があり、証に合えば花粉症に良く効きます。小青竜湯はサラサラな鼻水、葛根湯加川キュウ辛夷は鼻つまり、辛夷清肺湯は慢性的なひどい鼻水や鼻つまり、麻黄附子細辛湯は冷えた体の鼻水鼻つまりが使用の目安です。
抗アレルギー薬と併用することでひどい花粉症を和らげることができます。