にきびは、皮脂の分泌が過剰になって毛穴(ケアナ)が詰まり、炎症や「にきび菌」が増殖し赤くなる皮膚病です。
発症のきっかけが皮脂の分泌過剰ですから、食事や肌の手入れ(洗顔)の影響を受けます。女性では月経不順と関連することもあります。
ニキビ治療薬は即効性ある外用剤や抗生剤が処方されますが、繰り返すニキビ予防には漢方薬が最適です。
ニキビの漢方治療は、皮疹の色(とくに発赤状態)や経過、全身の病態(便秘や女性の場合は月経周期など)を総合的に判断して治療薬を決めます。
【清上防風湯】
顔の熱や炎症をとり、また皮膚病の病因を発散させる働きがあります。そのような作用から、顔の皮膚病、とくにニキビの治療に適します。体力のある人で、赤ら顔の人に向く処方です。
【桂枝茯苓丸加薏苡仁】
桂枝茯苓丸に、ハトムギの種子の“よく苡仁”を加えた処方です。生理不順や生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷えなどに、伴うニキビやシミや肌荒れに効果を示します。月経前後で肌荒れやニキビが起きる傾向の女性に適しています。
【十味敗毒湯】
皮膚の赤みやカユミを発散し、腫れや化膿をおさえます。アトピー肌や湿疹、蕁麻疹が起きやすい方に適しています。女性ホルモンの分泌促進作用があり、男性ホルモン由来のニキビには効果的です。