ニキビの漢方薬使い分け


にきびは、皮脂の分泌が過剰になって毛穴(ケアナ)が詰まり、炎症や「にきび菌」が増殖し赤くなる皮膚病です。

 発症のきっかけが皮脂の分泌過剰ですから、食事や肌の手入れ(洗顔)の影響を受けます。女性では月経不順と関連することもあります。

ニキビ治療薬は即効性ある外用剤や抗生剤が処方されますが、繰り返すニキビ予防には漢方薬が最適です。 

ニキビの漢方治療は、皮疹の色(とくに発赤状態)や経過、全身の病態(便秘や女性の場合は月経周期など)を総合的に判断して治療薬を決めます。

【清上防風湯】

顔の熱や炎症をとり、また皮膚病の病因を発散させる働きがあります。そのような作用から、顔の皮膚病、とくにニキビの治療に適します。体力のある人で、赤ら顔の人に向く処方です。

【桂枝茯苓丸加薏苡仁】

桂枝茯苓丸に、ハトムギの種子の“よく苡仁”を加えた処方です。生理不順や生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷えなどに、伴うニキビやシミや肌荒れに効果を示します。月経前後で肌荒れやニキビが起きる傾向の女性に適しています。

【十味敗毒湯】

皮膚の赤みやカユミを発散し、腫れや化膿をおさえます。アトピー肌や湿疹、蕁麻疹が起きやすい方に適しています。女性ホルモンの分泌促進作用があり、男性ホルモン由来のニキビには効果的です。

この記事を書いた人

アバター

薬剤師 坂本圭浩

<資格>
認定実務実習指導薬剤師
介護支援専門員
医療環境管理士

薬学部卒業、薬剤師資格取得後に1年限定で居酒屋アルバイトと英語習得でフリータ生活。その後、アルバイト兼務しながら病院薬剤部へ就職。感染症対策委員となる。服薬指導のスキルUPのため調剤薬局へ転職。支店長、経営企画部長、本部長を経て執行役員となり全国150店舗を統括。その後、大手ドラッグストア本部の調剤部長に就任。2022.3にかなで薬局を独立開局。趣味は料理、食べ歩き、ギター、マラソン、サウナ。