ハイドロキノンとは写真の現像のために使用されていた化学物質ですが、写真の現像をする人の手が白くなるから注目されるようになって、美白作用があると広がりました。
ハイドロキノン研究が進んだ結果、新たなシミができるのを抑える作用があるということがわかり、シミ治療薬、化粧品にもよく使われるようになりました。
<作用機序>
ハイドロキノンの「シミを抑える作用」は、チロシナーゼ阻害作用です。
ハイドロキノンは、複数の作用機序を介して、メラニン細胞の機能を阻害し、またメラニン細胞の損傷をもたらすことによって、メラニン合成を抑制します。
これによりハイドロキノンはシミを抑える効果があります。
しかし、すでに存在するメラニンには効果が十分ではありません。
それを解決するため表皮のターンオーバーを促進するレチノイド(トレチノイン)との併用が美容皮膚科などでは使われています。
ただし、ハイドロキノンの副反応やトレチノインの副反応が重なるため注意が必要です。
<副作用>
ハイドロキノンは、発赤などの刺激症状を起こすことがありますが、それほど多くはなく、美容目的の濃度最大量5%ではほとんど副作用はおきません。
ハイドロキノンと似ているハイドロキノンモノベンジルエーテルは、メラニン細胞の壊死性細胞死を誘導し、その後、残りの遠隔メラニン細胞に対する細胞傷害性T細胞の応答を引き起こすため、白斑が起こることがあります。ハイドロキノンとは別の成分ですので白斑の副作用はありませんのでご安心ください。
発がんの可能性についての懸念は、長期の使用に関連して提起されていますが、分析は決定的ではなく、具体的な実績はありません。